エッセイ:断片的なものの社会学
今日は、心に響いたエッセイの紹介です。
先に簡潔に述べると、正しいとか幸せって何?って考えさせてくれる本でした。
〇どんな本?誰が何を書いたの?
社会学の研究のためにいろんな人にインタビューしている筆者が、研究成果として利用しなかった話を綴ったもの。その中にはインタビューもあれば、ご本人の日常の体験も含まれます
〇僕が思うこの本の良さ
学問として世の中を分析することがある人が、分析をせずただただ語ったものというところに、温かさがある気がしました。
決して学問することが冷たいというわけではないですが、そこの違いってなんとなくあると思うんです。とても曖昧な表現ですが…笑
(ちなみに僕は、サイエンス関連の仕事でも生計をたてているので、学問は好きです。)
学術的にロジックもしっかり立てることができる学者さんが、日常の温かさ、世の中や人間の機微をほのぼの自分の言葉で語るところも良いんじゃないかなと思います。
〇読んで頭に残ったこと
「正しいとか幸せとか一定の価値観ってなんだかよくわからなくなるな」ということです。
これまたそりゃそうだろうて感じですが、再認識したのです。
本の中にはこんな言葉があり、僕の心に刺さりました
断片的で主観的な正義を振り回すことは、暴力だ。
自分にとって正しいこと、普通なこと、当たり前なこと。。
それは相手にとってどうなんだろうね?ということを押し付けがましくもなくいろんな人の視点を想像して問いかけてくれているような感じがしました。
相手にとってどうか?という想像力というか、自分と他者が違うということを認識できる人って、僕は魅力的だと思うので、それを感じさせてくれた本に感謝です!
他にも印象的な考えとして、
・いわゆるマイノリティと言われる人の反対は、多数派ではない。なぜならマイノリティには色がついている(好ましくない言い方だとレッテル?)が、多数派には色がない。
・一般的に良いとされる価値観は、その良いに属さない人々を良くないとして不幸にする可能性がある
等です。
どれもいろんな方とお話をして、いろんなものの見方をした筆者だからこそ心から語れるものなのではないでしょうか。
価値観や幸福とかいろいろ書きましたが、
小難しく考えずとも、やんわりと話しかけてくれるように読める本なので興味をもった方はぜひぜひ~。